猫にじゃがいもを与えても大丈夫なのか、不安に感じる飼い主も多いでしょう。
「猫はじゃがいもを食べても大丈夫?」と気になっている方や、「猫が絶対食べてはいけないものは何ですか?」と調べている方に向けて、猫とじゃがいもの関係について詳しく解説します。
じゃがいもはビタミンやミネラルを含む食材ですが、生のじゃがいもには「ソラニン」や「チャコニン」といった有害成分が含まれており、猫にとって危険な食材となる可能性があります。また、じゃがいもの皮や芽にも毒素が含まれているため、適切な処理をしなければなりません。
一方で、しっかり加熱し、皮や芽を取り除いた上で少量を与えることで、猫が食べても問題ない場合もあります。猫用のじゃがいもレシピを活用すれば、安全に与えることも可能です。
この記事では、猫にとってのじゃがいもの安全性や注意点、調理方法について詳しく紹介します。じゃがいもを猫に与える際のリスクを知り、愛猫の健康を守るための正しい知識を身につけましょう。
- 猫はじゃがいもを食べても大丈夫かどうか
- じゃがいもの皮や生のじゃがいもが猫に与える影響
- 猫にじゃがいもを与える際の安全な調理方法
- 猫に適したじゃがいもレシピと適量の目安
猫はじゃがいもを食べても平気?注意点を解説
猫に茹でたじゃがいもを与えてもいい?
猫に茹でたじゃがいもを与えること自体は問題ありません。ただし、与え方にはいくつかの注意点が必要です。
じゃがいもはビタミンCやビタミンB6、カリウムなどの栄養素を含んでおり、猫の健康に良い影響を与える可能性があります。しかし、猫は本来肉食動物であり、じゃがいもは必須の食材ではありません。
そのため、与える場合は適量を守り、適切に調理することが重要です。
まず、じゃがいもを与える際には必ず加熱する必要があります。生のじゃがいもには毒性のある「ソラニン」や「チャコニン」といった成分が含まれており、これらは猫の健康を害する可能性があるためです。
特に未成熟なじゃがいもや、皮が緑色になった部分にはこれらの毒素が多く含まれているため、注意が必要です。加熱することでこれらの有害物質は多少分解されますが、完全に無毒化されるわけではありません。
そのため、じゃがいもは皮をしっかり剥き、芽の部分を取り除いた上で、茹でて柔らかくしてから与えるのが安全です。
また、茹でたじゃがいもを猫に与える際には、調味料を一切使用しないことが大切です。人間が食べるようにバターや塩を加えると、猫にとっては塩分や脂肪の過剰摂取につながり、腎臓や肝臓に負担をかけることがあります。
特に塩分は猫にとって必要量が非常に少なく、少量でも健康を害する可能性があるため注意が必要です。
さらに、じゃがいもは炭水化物が主成分であり、エネルギー源としては優れていますが、猫にとっては消化しにくい場合があります。
食物繊維も多く含まれているため、大量に摂取すると消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐の原因になることもあります。したがって、じゃがいもを与える際は、小さくカットするか、マッシュして消化しやすくするのが理想的です。猫の喉に詰まらないように配慮することも大切です。
また、じゃがいもはあくまで補助的な食材として扱うべきであり、主食には適していません。総合栄養食のキャットフードを基本とし、じゃがいもはおやつ程度にとどめるのが望ましいでしょう。目安としては、猫の1日の摂取カロリーの10%以内にすることが推奨されます。
このように、茹でたじゃがいもは適切に調理し、少量を与えることで猫にとって安全な食材となります。しかし、過剰摂取には注意し、猫の体調に変化がないかを確認しながら与えることが重要です。
猫が生のじゃがいもを食べるのは危険?加熱の重要性
猫に生のじゃがいもを与えるのは非常に危険です。その理由の一つは、じゃがいもに含まれる「ソラニン」や「チャコニン」といった天然毒素の存在です。
これらはナス科の植物に含まれる有害物質で、摂取すると中毒を引き起こす可能性があります。猫がこれらの毒素を摂取すると、嘔吐や下痢、神経症状(ふらつき、けいれん、呼吸困難など)を引き起こし、最悪の場合は死亡する危険もあるため、特に注意が必要です。
これらの毒素は、じゃがいもの皮や芽、未熟な部分に特に多く含まれています。芽が生えているじゃがいもや、皮が緑色になったものは毒素の含有量が高いため、絶対に与えてはいけません。さらに、加熱することである程度分解されるものの、完全に無毒化されるわけではないため、そもそも生の状態では食べさせないことが大切です。
また、生のじゃがいもは硬いため、猫の消化器官に負担をかける可能性もあります。猫は肉食動物のため、炭水化物の消化が苦手です。生のじゃがいもを食べることで消化不良を引き起こし、腹痛や便秘の原因になることも考えられます。特に高齢の猫や消化器系が弱い猫にとっては、より大きな負担になるでしょう。
このため、じゃがいもを猫に与える場合は、必ず加熱処理を施すことが必要です。加熱することで、じゃがいもが柔らかくなり、消化しやすくなるだけでなく、毒素の影響を軽減できます。加熱方法としては、茹でる、蒸すなどが最適です。揚げたり焼いたりする調理方法は、油や調味料を使用するため、猫には適しません。
結論として、猫に生のじゃがいもを与えることは避けるべきです。毒素による中毒リスクや消化不良の危険性を考えると、安全のために必ず加熱してから与えることが重要です。
じゃがいもの皮は猫に与えても大丈夫?
じゃがいもの皮を猫に与えることはおすすめできません。皮には栄養が豊富に含まれているものの、同時に有害な成分も含まれており、猫にとっては危険が伴うためです。
じゃがいもの皮には「ソラニン」や「チャコニン」といった毒素が含まれており、特に皮が緑色になっている部分には多くの毒素が蓄積されています。
これらを摂取すると、猫は嘔吐や下痢、神経系の異常を引き起こす可能性があるため、皮を含むじゃがいもを与える場合は、必ず皮を取り除くことが推奨されます。
また、じゃがいもの皮は硬く、消化がしにくいため、猫の消化器官に負担をかける恐れがあります。
猫は肉を消化することに適応した体を持っており、食物繊維が多く含まれる食材を大量に摂取すると、消化不良を引き起こすことがあります。特に胃腸の弱い猫や高齢の猫では、便秘や下痢の原因となる可能性があるため注意が必要です。
さらに、じゃがいもの皮は農薬や土などの汚れが付着している可能性もあります。一般的に流通しているじゃがいもは、人間が食べることを前提としており、皮ごと食べる場合はしっかり洗う必要がありますが、猫に与える場合は、より慎重になるべきでしょう。
農薬が残っていると、猫の体に悪影響を及ぼす可能性があるため、皮をしっかり取り除いて与えるのが最も安全です。
以上の理由から、猫にじゃがいもの皮を与えるのは避けるべきです。じゃがいもを与える場合は、皮を完全に取り除き、加熱して柔らかくした状態で、少量を与えるようにしましょう。
猫に与えてはいけない野菜とは?注意すべき食材
猫に与えてはいけない野菜は複数ありますが、特に注意が必要な食材がいくつかあります。猫は肉食動物であり、野菜を消化する能力が限られているため、与える際には慎重さが求められます。
まず、猫が摂取することが危険な野菜を理解し、誤って与えないようにしましょう。
一つ目に注意すべき野菜は「玉ねぎ」や「にんにく」です。これらには「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれており、猫が摂取すると血液中の赤血球を壊してしまいます。
これにより貧血を引き起こすことがあり、場合によっては重篤な症状を引き起こす可能性があります。玉ねぎやにんにくは、調味料として使われることが多いため、気をつけてください。これらの野菜は生でも加熱しても猫には危険です。
次に「トマト」が挙げられます。特に未熟なトマトや、葉や茎の部分には「ソラニン」という有毒物質が含まれています。これを猫が食べると、消化不良や胃腸の不調を引き起こす可能性があります。
ソラニンはトマトが成熟することで減少しますが、与える際には熟したトマトでも量に注意が必要です。さらに、トマトに含まれる酸も猫には刺激が強いため、与えない方が良いでしょう。
また、「ジャガイモ」や「ナス科の野菜」も猫には与えるべきではありません。これらの野菜はナス科に分類され、「ソラニン」という毒素を含んでいます。
ソラニンは特に芽や皮に多く含まれており、猫が摂取すると中毒症状を引き起こします。症状としては、嘔吐や下痢、神経症状(ふらつき、けいれん)などがあります。じゃがいもやナスを猫に与える際は、十分に加熱し、皮や芽を取り除くことが大切ですが、できる限り与えない方が安全です。
さらに「アボカド」も危険な食材の一つです。アボカドには「ペルシン」という毒素が含まれており、猫に摂取されると中毒を引き起こす可能性があります。
ペルシンはアボカドの果肉や皮、種にも含まれており、猫が食べることで嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。特にペットフードの中にアボカドが含まれている場合でも、量や種類に注意が必要です。
このように、猫に与えてはいけない野菜は、種類によっては生命に関わる危険をもたらすことがあります。猫は基本的に肉食性の動物であり、野菜を消化する能力が低いため、与える際にはその栄養バランスにも十分配慮する必要があります。
普段の食事においては、猫用の栄養バランスが整ったキャットフードを与えることが最も安全です。もし野菜を与える場合は、猫にとって安全な野菜を少量与えるようにしましょう。
猫が絶対に食べてはいけないものとは?
猫が絶対に食べてはいけないものには、いくつかの食材や物質があり、これらを摂取すると猫の健康に深刻な影響を与えることがあります。
猫は非常に敏感で繊細な生き物であり、誤って摂取してしまうことで命に関わる場合もあるため、飼い主としては絶対に避けるべき食材をしっかりと理解しておくことが重要です。
まず一番に注意すべきなのは「チョコレート」です。チョコレートには「テオブロミン」という成分が含まれており、これは猫にとって非常に有毒です。
テオブロミンは猫の心臓や神経系に深刻な影響を与える可能性があり、摂取すると嘔吐や下痢、興奮、けいれん、さらには死亡に至ることもあります。特にダークチョコレートやベーキングチョコレートにはテオブロミンが多く含まれているため、絶対に与えないようにしましょう。
次に「カフェイン」も猫には有害です。カフェインはコーヒー、紅茶、エナジードリンクなどに含まれており、猫が摂取すると興奮や心拍数の増加、震え、呼吸困難などを引き起こします。
カフェイン中毒は命に関わる可能性もあり、摂取後はすぐに動物病院での処置が必要となります。ペットがいる家庭では、カフェインを含む飲料を猫の手の届かない場所に保管することが大切です。
さらに、「アルコール」も猫にとって非常に危険な物質です。アルコールは猫の体内で非常に速く吸収され、中枢神経系を抑制します。
少量でも酔っ払ったり、嘔吐や下痢、呼吸困難を引き起こすことがあります。過剰に摂取すると昏睡状態や死亡に至ることもあるため、アルコールは絶対に与えないようにしましょう。
「玉ねぎ」や「にんにく」も猫にとっては非常に危険です。これらに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という成分は、猫の赤血球を壊す働きを持っており、貧血を引き起こす可能性があります。
少量でも摂取すると症状が出ることがあるため、これらの野菜を猫に与えることは避けるべきです。
また、「ぶどう」や「レーズン」も猫には有毒であり、摂取すると急性腎不全を引き起こす可能性があります。
ぶどうを与えた猫がすぐに症状を示すわけではありませんが、数時間後に嘔吐、下痢、元気消失などが現れることがあります。さらに、レーズンは乾燥しているため、猫が摂取するリスクが高くなるので注意が必要です。
最後に、「アボカド」も猫にとっては避けるべき食材です。アボカドには「ペルシン」という成分が含まれており、猫が摂取すると吐き気や下痢、呼吸困難を引き起こすことがあります。
ペルシンは果肉だけでなく皮や種にも含まれているため、全体的に危険とされています。
これらの食材は、猫にとって非常に有害であるため、絶対に与えないようにしましょう。猫の健康を守るためには、普段から与える食べ物に十分注意を払い、もしも誤って摂取してしまった場合には、すぐに獣医に相談することが重要です。
猫にじゃがいもを与える際のポイントとおすすめレシピ
猫がじゃがいもを食べて死亡することはある?リスクと対策
猫がじゃがいもを食べて死亡する可能性はゼロではありませんが、正しく処理されていないじゃがいもを摂取した場合、命に関わるリスクが発生することがあります。
特に、未成熟のじゃがいもや、皮や芽を食べた場合は、深刻な中毒症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
じゃがいもには「ソラニン」や「チャコニン」といった天然毒素が含まれています。これらの成分はナス科の植物に見られるアルカロイドの一種で、神経毒としての働きを持っています。
特にじゃがいもの芽や皮、緑色になった部分には高濃度で含まれており、猫が摂取すると、嘔吐、下痢、腹痛、ふらつき、呼吸困難、痙攣などの症状を引き起こすことがあります。重症化すると、昏睡状態に陥り、最悪の場合は死に至ることもあるため、誤って摂取しないよう十分に注意する必要があります。
また、じゃがいもを調理する際にバターや塩、その他の調味料を加えてしまうと、猫の健康に悪影響を及ぼします。
塩分の過剰摂取は高血圧や腎臓病のリスクを高め、バターや油分は消化不良や肥満の原因となります。特にフライドポテトやポテトチップスなど、油で揚げたものは消化器系に負担をかけるため、猫にとっては避けるべき食品です。
では、どのようにして猫がじゃがいもによる中毒を防ぐべきでしょうか?まず、じゃがいもを猫の手の届かない場所に保管することが大切です。
袋に入れた状態でキッチンに放置すると、好奇心旺盛な猫が袋を破り、中のじゃがいもをかじってしまうことがあります。特に、芽が出ているじゃがいもは毒素が多く含まれているため、発芽したものはすぐに処分するようにしましょう。
また、猫にじゃがいもを与える場合は、必ず皮をむき、芽を完全に取り除いたうえで茹でることが必要です。茹でることで多少は毒素の影響が軽減されますが、絶対に無毒化されるわけではないため、過信は禁物です。
調味料を一切加えず、適量を守ることも重要なポイントです。猫にとってじゃがいもは必須の食材ではないため、与える必要がない場合は無理に与えないことをおすすめします。
もし猫がじゃがいもを食べてしまった場合は、すぐに様子を観察し、異変があれば動物病院に連絡しましょう。嘔吐や下痢、ぐったりしているなどの症状が見られた場合は、速やかに受診することが重要です。
可能であれば、食べたじゃがいもの種類や量を獣医師に伝えることで、適切な対応がとりやすくなります。
このように、じゃがいもは猫にとって危険な要素を含む食材であり、適切に処理をしない限りは与えるべきではありません。万が一の事故を防ぐためにも、日頃から食材の管理を徹底し、猫が誤食しない環境を整えることが大切です。
猫はじゃがいもが好き?食べる理由と嫌がる理由
猫の中にはじゃがいもを好んで食べる子もいれば、まったく興味を示さない子もいます。この違いには、猫の味覚や食性、じゃがいもの調理方法が大きく関係しています。
猫は本来、肉食動物であり、基本的には動物性タンパク質を主な栄養源としています。そのため、炭水化物を主成分とするじゃがいもは、猫にとって必須の食べ物ではありません。
しかし、じゃがいもが含まれるキャットフードがあることからも分かるように、適切に処理されたじゃがいもは猫にとっても食べやすい食材の一つとなり得ます。
では、なぜ一部の猫はじゃがいもを好むのでしょうか?一つの理由として、じゃがいもの柔らかい食感や甘みが影響している可能性があります。
特に茹でたじゃがいもは食べやすく、ほんのりとした甘みを感じるため、食欲をそそることがあります。また、飼い主が食べているものに興味を持つ猫も多く、飼い主の食べているじゃがいもに惹かれて口にするケースもあるでしょう。
一方で、じゃがいもを嫌がる猫もいます。これは、猫の嗅覚や味覚が関係している可能性があります。猫はにおいに敏感な動物であり、じゃがいもの独特のにおいを嫌うことも考えられます。
また、じゃがいもの食感が苦手な猫もおり、特に口当たりが滑らかでないと違和感を覚える場合があります。
猫がじゃがいもを食べるかどうかは個体差が大きいため、無理に与える必要はありません。たとえ猫がじゃがいもを好んでいても、適量を守り、皮や芽を取り除いたうえで茹でたものを与えるようにしましょう。
猫におすすめのじゃがいもレシピ!安全な手作りご飯
猫にじゃがいもを与える場合、安全に食べられるように調理することが重要です。ここでは、猫に適したじゃがいもレシピをいくつか紹介します。
1. じゃがいもと鶏むね肉のシンプル煮
- じゃがいも(皮と芽を取り除いたもの) 30g
- 鶏むね肉 50g
- 水 適量
- じゃがいもは小さめにカットし、柔らかくなるまで茹でる。
- 鶏むね肉を別の鍋で茹で、火が通ったら細かくほぐす。
- 茹でたじゃがいもと鶏むね肉を混ぜ合わせ、水を少量加えてペースト状にする。
- 粗熱を取ってから猫に与える。
2. じゃがいもとカボチャのマッシュ
- じゃがいも(皮と芽を取り除いたもの) 20g
- カボチャ 20g
- じゃがいもとカボチャをそれぞれ柔らかくなるまで茹でる。
- フォークで潰し、なめらかになるまで混ぜる。
- 必要に応じて少量の水を加え、食べやすい状態にする。
- 冷ましてから猫に与える。
これらのレシピは、じゃがいもを安全に猫に与えるために工夫されています。どのレシピも塩分や油分を使用せず、消化しやすいように調理しているため、安心して与えられます。
ただし、じゃがいもはあくまで猫の主食ではなく補助的な食材です。与えすぎないようにしながら、愛猫の好みに合わせて調理してみてください。
じゃがいもの安全な調理方法!猫が食べやすい形とは?
猫にじゃがいもを与える際には、安全な調理方法を守ることが大切です。適切な処理をしなければ、じゃがいもに含まれる毒素や硬い食感が猫に悪影響を与える可能性があります。
ここでは、猫が安心して食べられるように、じゃがいもの安全な調理方法と食べやすい形について詳しく解説します。
まず、じゃがいもを調理する前に必ず皮をむき、芽を完全に取り除くことが重要です。じゃがいもの皮や芽には「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素が含まれており、猫が摂取すると嘔吐や下痢、神経障害を引き起こす可能性があります。
また、皮には消化に悪い繊維質が含まれているため、胃腸に負担をかける恐れもあります。皮付きのじゃがいもは避け、必ず皮をむいてから調理しましょう。
次に、じゃがいもの加熱方法ですが、茹でるか蒸すのが最も安全な方法です。揚げたり焼いたりすると、油や焦げによって猫の消化器官に負担をかける可能性があります。特に、フライドポテトやポテトチップスは塩分や脂質が多く含まれているため、絶対に与えてはいけません。
茹でる場合は、水から加熱し、しっかりと柔らかくなるまで火を通しましょう。蒸す場合も、十分に柔らかくなるまで加熱することが大切です。
食べやすい形にするためには、小さくカットするか、マッシュポテト状にするのが理想的です。猫は丸のみすることが多いため、大きな塊のままだと喉に詰まる危険があります。
特に高齢の猫や歯が弱い猫には、スプーンでつぶした状態のじゃがいもを与えると食べやすくなります。ペースト状にすることで、ドライフードに混ぜることもでき、食欲が落ちている猫の栄養補給にも役立ちます。
また、じゃがいもを与える際には、必ず調味料を一切加えないことが重要です。バターや塩、ハーブ類を加えてしまうと、猫の腎臓や消化器官に負担をかける可能性があります。
猫にとってのじゃがいもは、あくまで補助的な食材であり、基本的には味付け不要のシンプルな形が理想的です。
このように、猫にじゃがいもを与える際には、皮や芽を取り除き、茹でるか蒸して加熱し、食べやすい大きさや形にすることが大切です。適切な調理方法を守ることで、安心して猫に与えることができます。
じゃがいもを食べた後の猫の体調チェック方法
猫にじゃがいもを与えた後は、しっかりと体調を観察することが重要です。猫は人間とは異なり、消化できる食べ物に限りがあるため、食後の様子に変化がないかを確認する必要があります。
万が一、体調不良の兆候が見られた場合は、速やかに適切な対応をとることが大切です。
じゃがいもを食べた後に最初にチェックすべきポイントは、食欲の変化です。普段は元気に食事をする猫が、じゃがいもを食べた後に食欲をなくしている場合、消化不良を起こしている可能性があります。
また、食事をしていても、少しずつしか食べない、口をつけてすぐにやめるなどの行動が見られる場合は、胃腸に違和感を感じている可能性があるため注意が必要です。
次に確認するべきは、嘔吐や下痢の有無です。じゃがいもには炭水化物が多く含まれており、猫によっては消化が難しい場合があります。その結果、食後数時間以内に嘔吐したり、翌日の排便がゆるくなったりすることがあります。
特に下痢が続く場合は、脱水症状を引き起こす危険性があるため、すぐに動物病院に相談しましょう。
また、じゃがいも中毒の兆候にも注意が必要です。もし皮や芽を食べてしまった場合、ソラニンやチャコニンの影響で、神経症状が現れることがあります。
具体的には、ふらつき、けいれん、異常に興奮する、逆にぐったりして動かないなどの症状が見られることがあります。これらの症状が出た場合は、一刻も早く動物病院を受診し、適切な処置を受けることが重要です。
さらに、排泄の状態もチェックすると良いでしょう。猫の便がいつもより硬すぎたり、反対に水っぽくなっている場合、じゃがいもが腸内環境に影響を与えている可能性があります。
特に、便秘気味になる場合は、じゃがいもの与え方を見直し、水分補給をしっかりと行うことが大切です。
このように、猫にじゃがいもを与えた後は、食欲、消化器症状、神経症状、排泄の状態をチェックすることが重要です。
少しでも異変を感じた場合は、無理に様子を見るのではなく、早めに獣医師に相談することが猫の健康を守るための最善の方法です。
猫に与えていいじゃがいもの量と頻度の目安
猫にじゃがいもを与える際は、適切な量と頻度を守ることが重要です。じゃがいもは猫にとって必須の食材ではないため、与えすぎると消化器系への負担や肥満のリスクが高まる可能性があります。
そのため、あくまでおやつや補助的な食材として扱い、適量を守ることが大切です。
適切な量の目安としては、猫の1日の総カロリー摂取量の10%以内に抑えることが推奨されます。
例えば、体重4kgの成猫の場合、1日の必要カロリーは約200kcal程度です。そのうちの10%となると約20kcalとなり、これは小さじ1杯分のマッシュポテト程度に相当します。これ以上の量を与えると、炭水化物の摂取量が増えすぎ、肥満や糖尿病のリスクが高まる可能性があります。
頻度については、週に1~2回程度が適切です。猫は肉食動物であり、主食は動物性タンパク質であるべきなので、じゃがいもを毎日与えることは避けた方が良いでしょう。
また、初めて与える場合は少量から試し、猫の体調を見ながら調整することが重要です。万が一、下痢や嘔吐などの症状が見られた場合は、すぐに中止し、動物病院に相談することをおすすめします。
また、じゃがいもを与える際は、他の食材とのバランスを考えることも大切です。
例えば、鶏肉や魚と一緒に与えることで、栄養バランスが整いやすくなります。ただし、じゃがいもに含まれる炭水化物の摂取が過剰にならないよう注意しましょう。
このように、猫にじゃがいもを与える際は、量と頻度を適切に調整し、健康的な食生活を維持することが重要です。
猫とじゃがいも|安全な与え方と注意点
- じゃがいもは猫にとって必須の食材ではない
- 加熱処理をすれば少量なら猫に与えても問題ない
- じゃがいもの皮や芽には毒素が含まれており、猫にとって危険
- 生のじゃがいもは消化しにくく、中毒症状を引き起こす可能性がある
- 加熱しても毒素は完全に無毒化されるわけではない
- じゃがいもは炭水化物が多く、与えすぎると肥満や糖尿病のリスクがある
- 1日の摂取カロリーの10%以内に抑えるのが理想的
- 味付けや調味料は猫の健康に悪影響を与えるため使用しない
- じゃがいもはマッシュするか細かく刻むと猫が食べやすい
- じゃがいもが含まれるキャットフードもあるが、それだけで栄養が補えるわけではない
- 高齢の猫や消化が弱い猫には少量ずつ与えるのが望ましい
- じゃがいもを食べた後は嘔吐や下痢、ふらつきがないか確認する
- もし誤って芽や皮を食べた場合はすぐに動物病院へ相談する
- じゃがいもはおやつ程度にとどめ、主食にはしない
- 鶏肉や魚と組み合わせることで栄養バランスを整えられる